浅香山町3丁ほか配水管布設工事等における不適切事案について

堺市上下水道局組織変革宣言

ー組織風土や職員の意識改革による公平・公正な職務遂行に向けてー

上下水道局が令和3年度に施工した「浅香山町3丁ほか配水管布設工事」等において、本来適用すべき基準とは異なる積算による工事契約や、一部住民からの過度な要求等に対して公平さを欠く不適切な行為が判明しました。市民、事業者の皆さまの信頼を損なうこととなり、心よりお詫び申し上げます。

事実関係を調査した結果、今回の不適切な事案は、工事を担当した一職員の判断や行為によるものではなく、事業を所管する部署の管理職を含む多くの職員が、その意思決定過程に関わっていたことが分かりました。

今回の事案は、上下水道局の一つの部署における一つの事業のなかで起こった職員個人のコンプライアンスの問題だけではなく、組織全体のガバナンスに問題があったと極めて重く受け止めています。

上下水道局は、このような事案を二度と発生させない、失ってしまった信頼を回復するとの強い決意のもと、組織風土と職員意識の改革を断行し、公平・公正な職務遂行を確保することができる組織へと変革します。

このたび、「堺市上下水道局組織変革」を宣言し、市民、事業者の皆さまとの信頼関係を構築することに全力を傾注し続けます。

令和5年10月31日

堺市上下水道事業管理者 森 功一

令和5年3月22日週刊文春（電子版）及び同月23日発売の週刊文春に「堺市“クレーマー老女”で450万不適切支出疑惑」と題した記事が掲載されたため、同月24日に上下水道局の見解を報告させていただきました。

しかしながら、その後に上下水道局内で行った事実関係の確認等を目的とした調査では、上下水道局が令和3年度に施工した「浅香山町3丁ほか配水管布設工事」において、本来適用すべき基準とは異なる積算によって工事契約をしていたこと、また、一部住民からの要望等に対して公平さを欠く、不適切な対応を行っていたことが判明しましたので、その調査結果を、6月30日に報告させていただきました。

さらに、当該調査報告書の内容を踏まえ、7月以降これまでに継続調査を行った結果及び工事費の不適切な積算による差額について、11月10日に報告させていただきます。

浅香山町3丁ほか配水管布設工事（令和3年度施工）等で明らかになった不適切な職務遂行が起きた原因や問題点等を検証し、徹底的な組織改革のもと、公平・公正な職務遂行を確保するため、令和5年7月14日に堺市上下水道局組織改革等推進委員会（以下、「委員会」といいます。）を設置しました。

上下水道局をあげて組織の改革や再発防止に取り組むにあたり、工事契約請負業者との関係、市民からの要求への対応状況などの実態を把握するため、すべての上下水道局職員を対象にアンケート調査を実施しました。

委員会では、組織変革の推進を上下水道局全体で取り組むべき最重要の課題として捉え、所属や職種（技術職・事務職）にかかわらず、また、多くの上下水道局職員が関わる形で、3つの専門部会（業務体制改革専門部会、組織改革専門部会及び仕事環境整備専門部会）を設けて検討を重ねてきました。

委員会で取りまとめた具体的な取組は、既に取組を開始しているもの、今後実施していくものがありますが、市民及び事業者の皆さまとの信頼関係を構築することができるよう上下水道局を挙げて取組を継続し、市民生活や企業活動を支えるライフライン事業者としての使命を果たします。

設計変更業務における体制強化

上下水道局における建設工事等に係る設計変更事務の適正な執行を確保するため、令和3年10月に設置した堺市上下水道局建設工事等設計変更審査会や所管部局におけるチェック体制の厳格化を図ります。

不当要求等への対応体制の構築（令和6年4月1日更新）

日常業務で発生する市民や事業者からの不当要求等に対して、適切な対応及び公平・公正な職務確保を図るため、各部署において直接対応する職員に、必要に応じて対応を補佐・バックアップするなどの支援を行い、局一体となった公正職務遂行体制を構築します。

また、不当要求事案等に発展する可能性がある事案を局内で共有し、事業を円滑に推進しながら速やかに公正職務確保対策審査会への報告等を実施するための体制を構築します。

上下水道局不当要求等対応マニュアル

市民や事業者からの不当要求等に応じてしまうことで、公平・公正な職務の執行が困難になったり、暴言や暴力などにより職員の安全が脅かされたりすることがあります。

そのような場合は、法令や社会的秩序等に照らして公正に判断し、毅然と対応することが必要であり、本マニュアルは、「堺市職員の市民対応マニュアル」を基に、上下水道局の業務における不当要求行為等に対しての基本的な対応方法について整理したものです。

関係団体・事業者への報告及び協力要請

関係団体や事業者の皆さまに、堺市上下水道局組織変革宣言や再発防止の取組等の報告及び協力を要請させていただきます。ご理解とご協力をいただきますようお願い致します。

（1）契約相手方への周知

・工事現場安全対策講習会における現場代理人への周知

令和5年11月10日（金曜）午後2時から

災害対策センター（堺市堺区松屋大和川通3丁140－2）

・契約締結手続きにおける文書配付による周知（11月から）

（2）各種関係団体への個別訪問等

・局との災害対策協定締結団体を対象に個別訪問等を実施（11月9日（木曜）から22日（水曜）まで）

堺市指定管工設備協同組合、大阪・堺管工事弐拾壱協同組合、 堺建設業協会、日本建設業連合会関西支部、日本下水道管路管理業協会関西支部、日本下水道施設業協会、大阪環境整備協同組合、全国上下水道コンサルタント協会関西支部など

（3）各媒体による幅広い周知（11月から）

上下水道局ホームページへ掲載、上下水道局Xアカウント（旧X（旧Twitter））、上下水道局入札契約関係メールマガジン（物品・委託登録業者）、局庁舎への掲示など

組織のガバナンス、職員の意識・知識の向上

（1）外部講師による意識変革研修（管理職対象）

令和5年10月19日（木曜）

（2）局職員と管理職による組織変革ワークショップ

コンプライアンスの向上等を目的としたワークショップを開催（令和5年7月から9月まで）

（3）公契約、行政手続、コンプライアンス等の基礎研修（課長級以下職員）

令和5年9月29日（金曜）から10月20日（金曜）まで

公平・公正な職務遂行を確保するため、堺市上下水道局不当要求等対応マニュアルで定めた「要望等の定義」に該当するすべての要望等を記録させていただきます。市民や事業者の皆さまにおかれましては、ご理解とご協力をいただきますようお願い致します。

記録対象の範囲

【要望等の定義】要望者の連絡先が、不明又は匿名の場合も記録対象とします。

記録の方法

記録は、ビデオカメラ・ボイスレコーダー等による録画・録音及び文書（記録票）作成において行います。また、録音データ及び文書等は、公文書として適正に保存・管理します。