高度処理の導入と放流水質
堺市では、三宝および泉北水再生センターにおいて高度処理(注釈1)を導入しています。三宝および泉北水再生センターの全施設能力における高度処理施設の割合と、全窒素や全リンの放流水質の推移を以下のグラフに示しています。
高度処理の導入に伴い、全窒素や全リンの放流水質は導入前と比べて改善されました。
各水再生センターの処理方式と導入開始年度を以下の図に示します。
以上文章及び図内の注釈説明
注釈1 高度処理
栄養塩類である窒素やリンは、大阪湾などの閉鎖性海域で増加すると、富栄養化を引き起こし、赤潮などの原因となる物質です。高度処理では、標準活性汚泥法などの通常の処理方法では十分に取り除くことのできない、窒素やリンを除去することができます。
通常の下水処理のしくみについては下水道の仕組みのページをご覧ください。
注釈2 ステップ流入式多段硝化脱窒法(凝集剤添加)
下水を分割して流入し、汚濁負荷を均一にして窒素の除去効率を高める方法です。
処理水に凝集剤を添加することで、リンを凝集沈殿させて除去します。
窒素除去のしくみ
- 無酸素槽
微生物は、水中に溶け込んでいる硝酸の酸素を利用して窒素に変え、大気中に放出します。(脱窒) - 好気槽
微生物は酸素を用いてアンモニアを分解し硝酸にします。(硝化)
その硝酸の一部を無酸素槽に戻します。
注釈3 循環式硝化脱窒型膜分離活性汚泥法(凝集剤添加)(MBR法)
窒素とリンを除去する方法です。
微生物で水処理したのち、非常に小さな穴を無数に持つ「膜」によって、活性汚泥や大腸菌などとろ過水に分離します。
窒素除去のしくみ
- 無酸素槽
微生物は、水中に溶け込んでいる硝酸の酸素を利用して窒素に変え、大気中に放出します。(脱窒) - 好気槽・膜分離槽
微生物は酸素を用いてアンモニアを分解し硝酸にします。(硝化)
その硝酸の一部を無酸素槽に戻します。
リン除去のしくみ
- 好気槽
水中に溶け込んでいるリンは、凝集剤を加えると水に溶けにくいかたちとなります。 - 膜分離槽
リンは、活性汚泥とともに反応タンクの外へと引き抜かれ除去されます。
注釈4 嫌気無酸素好気法
窒素とリンを同時に処理する方法です。
窒素除去のしくみ
- 無酸素槽
微生物は、水中に溶け込んでいる硝酸の酸素を利用して窒素に変え、大気中に放出します。(脱窒) - 好気槽
微生物は酸素を用いてアンモニアを分解し硝酸にします。(硝化)
その硝酸の一部を無酸素槽に戻します。
リン除去のしくみ
- 嫌気槽
微生物は有機物を取り込み、体内のリンを水中にはき出します。(脱リン) - 好気槽
微生物は、嫌気槽ではき出した以上のリンを体内に取り込みます。(リンの過剰摂取)
この記事に関するお問い合わせ先
- みなさまのご意見をお聞かせください
-
更新日:2023年04月03日